生きるのをもっと楽に、楽しく

1976年生まれの男性。 コピー機メーカー勤務の会社員です。 いろいろ生き辛さを感じていて、ちょっとずつでも生きるのを楽に、 そして楽しくしていきたいなぁと感じています。 このブログを通じて波長の合う人とつながれればいいなぁと思っています。

「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」ブックレビュー

筆者の中島聡さんを知ったきっかけはマナブさんです。

Voicyで、「マナブさんが最も楽しみにしているメルマガ」として、
中島聡さんのメルマガが紹介されていたのです。

 

かつて世界を席巻したWindows95、インターネットエクスプローラー。

中島さんはこれらの生みの親と言われています。

 

「10日の仕事を依頼されたら、最初の2日間全力で取り組み、8割完成させよ。
   8割出来なかったら期間の延長を打診せよ。」

 

これがこの本のエッセンスです。

ロケットスタート時間術と命名されています。

仕事の集中度合いをドラゴンボールの界王拳に例えるのも、楽しく分かりやすかったです。

 

10日の仕事を依頼されたら、最初の2日間で勝負せよ

 

上司から10日の仕事を依頼された場合、最初の2日間を「見積もり期間」として報告し、実際は全力で作り込む。

2日間で8割作り込めたら、そこ仕事は10日で仕上げられる。

残りの8日間で流しながら仕上げていく。

 

そして、8割作り込めなかった場合。

この場合は、

 

「見積りましたが、10日では厳しいです。」

 

と報告して期間の延期を申し出る。

上司としてはぎりぎりで言われるよりもこっちの方がずっと良いといいます。

残りの期間で調整や段取りができるからです。

 

仕事の集中度合いを「界王拳」でイメージする

集中度合いを界王拳で表現するのが面白かったです。

 

  • ロケットスタートの2日間は「20倍界王拳」
  • 朝イチの2時間半は「10倍界王拳」
  • 午前中は「2倍界王拳」
  • 午後は「流し」

 

「20倍界王拳」ではもう一心不乱にやります。
トイレや飲食も忘れるほどの集中です。

 

「10倍界王拳」「2倍界王拳」を使う午前中で、
1日の仕事の8割を終わらせる勢いでやります。

 

そして午後は「流し」
メールや調整ごとをしながら、残り2割を仕上げていきます。

 

前日寝る前に「明日やることリスト」を作る

 

前日寝る前に「明日やることリスト」を作ると良いといいます。

中島さんのメモのルールは以下の通り。

 

  • 手書きで書くこと
  • 左端にチェックボックスをつける
  • 15分程度のタスクで書き出す

そしてこのリストは午前中に8割終わらせるつもりでやります。

5個書いたら4個、10個書いたら8個、午前中に終わらせる感じですね。

 

界王拳で午前に8割終わらす、寝る前に明日やることをリストアップする

  • 界王拳で午前中にその日の仕事の8割を終わらせる
  • 寝る前に明日やることをリストアップする

この2つを実践していきたいと思いました。

読みやすいし、実践しやすい内容にかみ砕かれているし、中島さんの思いが伝わってくる名著でした。おすすめです!

 

 

おまけ:マイクロソフト時代の逸話

ここからはおまけです。

これからこの本を読もう、という人は、できれば本を読んだ後に読んでほしいです。

 

中島さんのWindows95開発時代の逸話にとても感銘を受けました。

当時、Windows95はカイロというチームと、シカゴというチームの派閥に分かれていました。

中島さんはカイロで上司との折り合いが悪くシカゴに異動したそうなのですが、カイロチームから、中島さんの仕事にはバグがいっぱいある、という訴えを起こされたそうです。

そこでビルゲイツを含む幹部を交えての社内裁判になったそうです。

カイロチームは400ページにも及ぶ文書を用意していたのに対し、中島さんが用意したのはあるデータが入ったCD-ROM1枚。

中島さんはこのCD-ROMに入っていたデータを見せながらプレゼンを行い、結果としてカイロチームは解散、という決定が下ったそうです。

そのCD-ROMに入っていたデータというのがWindows95のプロトタイプだったのです。

 

400ページの文書も、1つのプロトタイプに負ける。

本書で中島さんはプロトタイプの重要性を何度も説かれていますが、このエピソードほどその威力を感じ取れるものはありませんでした。

私もソフトでサービスを作っている人間ですので、

「とりあえず作って見せてみる」

は実践していきたいと思います。

 

いやー、日本人にも凄い人がいるのですね。

ちょっと誇らしい気持ちになりました。

 

 

本書で、いつも手術のスケジュールがパンパンで、しかも予定がずれまくる病院の話が出てきます。

その病院がある施策を打ったところ、スケジュール通りに手術ができるようになったといいます。

その手法は「常に手術室を1つ空けておく」

だったそうです。

私たち一人一人も、心の中に「1つの手術室」を空けておく必要があるのかな、と感じました。

引用されたいつも「時間がない」あなたに (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)は名著です。

この本では今回の手術室の余裕を「スラック」と命名していますが、勝間塾でも「スラック」という言葉は共通用語になっています。