生きるのをもっと楽に、楽しく

1976年生まれの男性。 コピー機メーカー勤務の会社員です。 いろいろ生き辛さを感じていて、ちょっとずつでも生きるのを楽に、 そして楽しくしていきたいなぁと感じています。 このブログを通じて波長の合う人とつながれればいいなぁと思っています。

【自己犠牲タイプのギバー必読の一冊!】「GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代」ブックレビュー

「他人やチームに尽くすのが好き。でも、他人に搾取されるのは嫌・・・」

「私はあの人みたいに、自信満々に強く言えない・・・」

「私はお人好しだから、成功なんてできっこない・・・」

 

こんな事を思っている人は必読の一冊です。
これは全部、私がずっと思っていたことでもあります。
めっちゃざっくり言ってしまうと、これからの時代はSNSで情報が広く早く流れるので、ギバーが成功する時代になる、ということが多くの事例を通して書かれています。
これからというよりは、今までも華々しい活躍は無く、スポットライトを浴びなかったけれど、10年、20年スパンで見ると大きな成果をあげているギバーについても気づかせてくれる一冊です。

私がこの本で最も感銘を受けたのは

「自己犠牲タイプのギバーに対する処方箋」

です。
ギバーって、他人優先で、自分が犠牲になり、心身ともに消耗するケースが多いんですよね。
これに対する処方箋が大きく3つ紹介されていましたのでシェアします。

  • 時間を区切る
  • 助けを求める
  • テイカーと付き合う時はマッチャーになる

この3つです。
1つずつ紹介していきます。

 

自己犠牲タイプのギバーに対する処方箋

時間を区切る

ある職場で、エンジニア達に週に3日、午前中に静かに「過ごす時間」を設けたところ、生産性がとても向上したそうです。
これは、ギバーは人が良いので周囲の要望や問い合わせを受けて、自分の時間を確保できない問題に対する対策です。

 

助けを求める

自己犠牲タイプのギバーは助けを受ける事が少ないことが研究でわかっているのだそうです。
ギバーの中でも、積極的に周囲に助けやアドバイスを求めるギバーは、消耗もしないし成功する確率がとても上がるとのことです。

 

テイカーと付き合うときは、マッチャーになる

ギバーはテイカーに騙されたり、搾取されたりするケースがとても多いです。
これは、ギバーが人を疑うことを知らないためです。
ギバーもしっかり人を見極めて、テイカーに対してはマッチャーとして振る舞うことで、騙されたり搾取されたりすることは防止できる、としています。

 

他人優先で自分の時間が取れない、
他人に助けを求められない、
誰とでも同じように接する、

 

いずれも自身に、心当たりありまくりです(;・∀・)。
この3つを、肝に銘じていきたいと思います。

 

以下、読んでいて印象に残った点をつらつらとシェアしていきます。

 

自分自身を家族を代表する代理人だと思う

ギバーは昇給交渉にとても弱いことが分かっています。
しかし、自分自身を

 

「家族を代表する代理人」

 

と思うことで、この交渉に強く臨み、多額の昇給を勝ち取ることができる、としています。

確かに自分のためより、家族や仲間のため、と思ったほうが力が出せそうな気がします。

 

クリエイティブな建築家、科学者にはテイカーが多い

残念ながら、クリエイティブな人たちは才能に恵まれているからか、テイカーの割合が多いそうです。
ただ、ギバーもクリエイティブになれるとしており、その例も示されています。
とは言え、クリエイティブということは我を押し通す必要があるので、テイカーの資質が必要なのかな〜とは思います。

 

才能のあるギバーは嫉妬されない

本書にはアメリカの有名アニメ番組「ザ・シンプソンズ」の仕掛人「ジョージ・マイヤー」が優秀なギバーとして度々紹介されています。
マイヤーが大事にしているルールは以下の4つです。

 

  1. 遅刻をしない
  2. 努力を惜しまない
  3. 人に親切にする
  4. 道に外れたことをしない

 

この積み重ねのおかげでマイヤーには「信用残高」が積み上げられ、多少大胆で挑戦的なアイディアを出しても、周りに特別に認められる、としています。

マイヤーは2004年にザ・シンプソンズを去りましたがその影響はしっかり根付いているといいます。
ギバーとして文化を根付かせたのかなと思います。

 

自身の貢献を過大評価し、他人の貢献を過小評価しがち

ある調査によると、それぞれの夫婦に夫婦関係の具体的貢献度を挙げてもらうと、自分がしたことは11個思いつくのに、相手のしてくれたことは8個しか思いつかないのだそうです。

これは「責任のバイアス」と呼ばれており、悪気がなくとも自身の貢献を過大評価し、他人の貢献を過小評価する傾向があるといいます。

このバイアスを克服する方法として、

「自身の貢献を評価する前に、相手の貢献を評価する」

と良いとしています。
そしてギバーはそれを自然とやっているとのことです。

 

教師が生徒の可能性を信じると、生徒の才能が花開く

ある調査で、「無作為に」選ばれた20%の生徒を教師には

「この生徒たちはブルーマー(才能の花を開かせる人)」

だと伝えました。
するとその生徒たちは他の生徒と比べて顕著に知能が向上したそうです。

「無作為に」選ばれたはずなのに、なぜか?

それは教師が生徒の可能性を信じたために

「自己成就予言」(他人から期待されると、それに沿った行動をとって期待通りの結果を実現すること)

が働いた、とあります。

この理論をダブ・イーデンという心理学者がイスラエル国防軍の訓練に適用したところ、やはり同じ効果が得られたといいます。

子供だけでなく、大人の、しかも軍隊にも効果あるってすごいですよね。
これからは部下、子供、周囲の人には、適度な期待を持って接するようにしたいと感じました。

 

サンクコスト以外の3つの要因

「英会話学校に行き始めたけど、どうも上達しそうにない。けど、もう何十万円もつぎ込んだから、やめるわけにもいかない・・・」

という経験をされた方は多いかと思います。
これがいわゆる「サンク(埋没)コスト」と呼ばれるものです。
本書では既につぎ込んだコストの他に、以下の3つの要因があるとしています。

  • 「後悔の予期」もう一度チャンスを与えなかったことを後悔するのでは?
  • 「計画の完了」投資を続けたら、きっとこの計画を遂行できる
  • 「エゴの防御」この投資を成功させられたら、自分が正しかったことを証明できる

この3つ目「エゴの防御」の要因が強く、テイカーはこの要素がとても強いことが分かったそうです。
私も、自身が提唱していた案が失敗したり、非難されたりした時にめっちゃ養護する人を何人か目にしたことがあります。

 

マイケル・ジョーダンは経営陣時代はかなりのテイカーだった

バスケットボール界のレジェント、マイケル・ジョーダンですが、経営陣としてはかなりのテイカーだったようです。

選手時代は「選手に収益を回すべき」と言っていたのにオーナーになったらその収益が自身へ回るように活動していたり、自身がドラフト指名した選手にいつまでもこだわり続けたりしていたそうです。

マイケル・ジョーダンの悪い評判を聞くのは初めてだったので、新鮮でした。

 

「ゆるいコミュニケーション」が大きな成果をあげる

ギバーはテイカーのような自信満々で力に満ちた振る舞いはできません。
しかし、「ゆるいコミュニケーション」により、大きな成果をあげる事ができるといいます。

 

自身の弱みをさらけ出す

自身が幼く見える、どもりがちである、等の自身の弱みをさらけ出すことで、相手の信頼を得られるといいます。
ただし、周囲に有能と認められている場合に限るそうです。そうでない場合は逆効果になるそうです。

まずはしっかりと実力をつける、というのは必須項目ですね。

 

質問して、じっくりと話を聞くこと

じっくりと、相手の話を聞けるというのはギバーの強みの1つです。
話を聞くことにより

  • 相手のニーズを知る
  • 相手の満足度が上がる
  • 相手側の視点が理解できる

事ができるとしています。

 

控えめでゆるい話し方は、チームワークやサービス関係で影響力を持つ

ギバーは良きも悪きも、穏やかな話し方しかできません。
私などはこれを弱みと感じていましたが、必ずしも弱みだけではなく、強みにもなるケースも多いようです。
確かに今の時代は、昔よりもずっと、ゆるい話し方が有効な時代になった気がしますよね。

ただし、リーダーシップを担っている場合は、やはり強い口調で対応すべきとのことです。

 

ふー!
印象に残った点だけなのに、ものすごい文字数になってしまいました。
これでも、絞った方でして、もっと書きたいことがいっぱいあります。
でもきりが無いので、ここで一度リリースします。

自分はお人好しだから成功なんてできっこない・・・

とか思っている方には是非読んでいただきたいです!

 

おまけ

ギバーは、他人に貢献していると実感できるととても力を発揮することができる。

大学の卒業生に寄付を依頼する業務を行うオペレーター。

最初、ギバーはテイカーと比較しても差がなかった。

ところが寄付金からの奨学金を受けた学生の手紙を読んだり、実際にその学生に会うことにより、ギバーの成果は格段に上がった。

私も昔、自身の仕事が外国でとても喜ばれている、という話を聞いて、とてもモチベーションが上がった経験があります。そういうことなのですね。
これからも現場の声が聞こえる仕事をやっていきたいと思います。