SNSでレビューが流れてきて興味を持った一冊。
「FIRE」と聞くと、そこそこ稼ぎの良いサラリーマンがお金を貯めて早期退職、
というイメージですが、この本の著者の極貧体験には驚かされました。
- 初めてのコーラが嬉しすぎて、空き缶を長い間大事にしていた
- 医療廃棄物の山からおもちゃの材料を探す
- 鍵をなくして30ドルの鍵の取り替え費用が発生し、親にぶん殴られる
この本は、
「そんな極貧状態からでも早期退職して、お金から自由になれるぜ」
という事が書かれた本です。
原題は
Quit Like a MILLIONAIRE
No Gimmicks, Luck, or Trust Fund Required
直訳すると
お金持ちのように(しがらみから)抜ける
仕掛け、運、信託基金 を必要としない
といった感じでしょうか。
要は
「何も無い状態のあなたでも、FIREは実現できますよ」
というメッセージが込められた本です。
ここ最近、なかなか読書が進まなかったのですがこの本は面白くて一気に読んでしまいました。
面白くてためになり、ブックレビューを書こう、と思えるとても良い本でした。
以下、私の印象に残った点を中心にご紹介していきますね。
貧困が「欠乏マインド」を育みお金への執着を産む
「欠乏マインド」とは、不足しているものがその人の最重要事項になることで、
筆者の幼少期の極貧体験がお金への執着を産んだそうです。
欠乏マインドを身に着けた彼女には、他の人より無駄な支出が多く見つけることができました。
欠乏マインドが今の彼女の礎を築いたのです。
物を買う支出と、経験を買う支出の違い
「物は買えば買うほど購入時の幸せは減っていくが、旅行などの経験への支出は幸せ度は減らない」
この本で最も印象的な内容でした。
筆者は過去にバッグ中毒になったらしく、COACHのバッグを最初に買った時は心の底から幸せを感じたそうです。
ところがその後、それ以上に高価なバッグを買っても幸せ度は上がらず、最終的には人にあげたり売ったりして処分してしまったのだそうです。
これは皆さんも納得できるのではないでしょうか?
さらに物は、多くなればなるほどかさばったり、メンテナンスにお金がかかったりして、人を不幸にしていくんですね。
絵画などがその最たる例だと思います。
一方、旅行などは何度行っても幸せ度は下がりません。
筆者は物への消費に代表される、幸せに寄与しない消費を減らして、
旅行、コンサート、スキューバダイビングのような、幸福度が持続するような体験にお金を使うことを推奨しています。
1年間の世界旅行の費用がカナダでの生活費と変わらないという衝撃
筆者はリタイアした翌年、1年間世界旅行をしたのですが、その時の費用がカナダとの生活費と変わらなかったのだそうです。
「そんなバカな」
と思いましたが、物価の安いタイなどの国で過ごすと安くなるってのを聞いて納得しました。
ブログやユーチューバーとして有名なマナブさんも、タイに住んだらめっちゃ固定費削れますよ、って言ってたのを思い出しました。
本書を読んで私がやろうと思ったこと
読んで感心するだけなら意味がないので、少しずつでも私も行動を変えていこうと思います。
支出を把握して、無駄を探す
FIREを実現している人は例外無く自身の収入と支出をしっかり把握されている印象です。
毎月、毎年の家計を把握したいと思います。
4%ルールについて、もう少し突っ込んで理解する
「4%ルール」とは、毎年取り崩す資産を全体の4%以内にしておくと、95%の確率で資産は減らない、と言われているものです。
本書ではこの95%の確率をもっと高めるための施策が書かれていたのですが、今回はちゃんと読めていません。
もう少ししっかりと理解したいなと思っています。
72の法則について、もう少し突っ込んで理解する
「72の法則」とは、72を年利率で割ると、資産が倍になるまでの年数が分かる、というものです。
例えば年利6%の場合、資産が倍になるのは72 ÷ 6 → 12 で、12年になります。
これも、しっかりとした数式で腹落ちできていないので、もう一段階しっかりと理解したいなと思います。
いずれもどこかで聞いたことのある内容だけど、それでも読む価値のある良本
ここに書かれている内容はいずれもどこかで聞いたことのある内容で、新たな知識の獲得は無いかもしれません。
しかし、筆者の生々しい体験を追体験することができて、知識の価値を再認識することができます。
実際私はドルコスト平均法について知っていて実践もしているのですが、本書に書かれていた筆者と銀行員のやり取りを読んで、ドルコスト平均法の価値を再認識しました。
最後に、本書に興味を持ってくださった方や、既に読んだ方向けに参考情報を掲載しておきます。
誤植訂正と付録
https://www.diamond.co.jp/go/pb/fire.pdf
本書の誤記訂正や、筆者の資産の詳細な計算式もここに掲載されています。
金持ち父さん貧乏父さん
もうこの本はお金に関するバイブルになってますね。
筆者もこの本から学んだそうです。
ドルコスト平均法を学ぶならこの本
筆者はお金について学ぶうちに、ドルコスト平均法が最適解との結論を出します。
第8章「本物の銀行強盗」は読んでいて痛快だったのでオススメです。
そしてドルコスト平均法についてはやはり勝間さんの「お金は銀行に預けるな」が最もわかりやすいと思います。
筆者のクリスティーシェンさんのブログ
当然ながら英語です。
しかしブログ内の動画を字幕付きで見たり、写真を見ると雰囲気はつかめるかもです。
この辺りの英語くらいは読めるようになりたいです。